セッション内容

K1 データドリブンで加速するブリヂストンのビジネストランスフォーメーション

10:00–10:30

産業革命 第4の波が訪れ、とりわけモビリティー産業では100年に一度の大変革期を迎え、「CASE」が進展。ブリヂストンは従来の製造販売業から、顧客の課題を解決し、新しい価値を生み出すソリューションプロバイダーへ変わるための様々な取組みを進めている。この変革を加速させるため、データドリブンなアプローチを駆使してモノづくりからサービスに至るまで、バリューチェーン全体の「デジタルトランスフォーメーション」を推進。モビリティービジネスの新たな価値・イノベーションの創出に取り組んでいる。その狙いと必要性、将来の展望に付き、いくつかの事例を交えて紹介する。

Saegusa

株式会社ブリヂストン Nest Lab. フェロー 三枝 幸夫


K2 Beyond the “I” in AI

10:30–11:10

人工知能 (AI) は、私たちが構築する製品と私たちのビジネスのやり方を変えています。 また、システムに AI を組み込む必要がある人にも新たな課題があります。 「AI ドリブン」なシステムを作るには、インテリジェントなアルゴリズム開発以上の、下記のようなことが必要です:

  • Insight: システム全体に対する信頼を構築するために必要なテスト、モデル、およびシナリオを生成するためのドメインエキスパートからの洞察
  • Implementation: データの準備、コンピューティングプラットフォームの選択、モデリングとシミュレーション、そして自動コード生成を含む実装の詳細
  • Integration: 最終設計システムへの統合

エンジニアと科学者がどのようにして MATLAB®/Simulink® を使用して AI を設計し、次世代のスマートなコネクテッドシステムに統合するのか、マーケティング部 Vice President のRichard Rovner が説明します。

Rich Rovner

MathWorks Richard Rovner


K3 MATLAB and Simulink 最新情報

11:10–11:40

R2019a から導入されたMATLAB®/Simulink® とアドオン製品の主な機能拡張・改善点について紹介いたします。プログラミング、モデリング、シミュレーション、テストに役立つ機能や AI・自動運転に代表されるアプリケーション関連機能について取り上げます。

Yamamoto

MathWorks Japan 山本 順久

A1 MATLABを用いた医療機器ソフトウェア開発~心拍変動解析とてんかん発作予知

13:30–14:10

てんかん発作に伴うけいれんや意識障害による事故、怪我は多く報告されているが、患者が数秒前でも発作の兆候を検知できれば、発作までに身の安全を確保できる。てんかん発作前には心拍パターンが変化することが知られている。我々は心拍変動解析と機械学習技術を融合させることで、発作前に発作を予知できるアルゴリズムを開発し、現在、医療機器ソフトウェアとしての承認を得るために、臨床での試験を実施している。本アルゴリズムの開発においてはMATLAB®によって生体信号の解析をおこない、計算効率化ため積極的にクラウドを使用した。本講演では、てんかん発作予知アルゴリズム開発を通じて、MATLABによる生体信号解析について紹介する。

Koichi Fujiwara

名古屋大学 大学院 工学研究科 准教授 藤原 幸一


A2 MATLAB×データサイエンス ~最新機能紹介と業務一元化の手引き~

14:30–15:00

日々利用可能なデータ量が急増する昨今、データに基づいたビジネス創出を実現する解析スキルの醸成が急務です。本セッションでは、統合開発環境として強みを持つMATLAB®のお役立ち機能の中で、データへのアクセス、整理、解析、可視化を簡単に行う方法を紹介します。日頃、大容量のデータを扱う方や、センサーデータの前処理を行う方には特に必見の内容です。また、MATLABを用いて、これまで各組織で使途の限定的だった解析方法を発展させ、より組織横断的に使える一元的ツールへと変えて頂くアイデアもご紹介します。データ解析に関連のある方であれば、MATLAB使用経験有無を問わずご参加ください。

Misa Taguchi

MathWorks Japan 田口 美紗


A3 信号処理アプリケーションのためのAI技術

15:30–16:00

多種多様な産業において、センサーや音声・音響信号等の時系列信号に対する機械学習/ディープラーニングの応用が進んでいます。本セッションでは、 その様な一次元時系列信号を題材としたAI技術適用例について、MATLAB®のデモを交えてご紹介します。内容は以下を予定しています。

要素技術・応用例

  • 特徴抽出等、各種信号処理技術
  • 応用アプリケーション(ヘルスケア、予知保全等)
  • 他の深層学習フレームワークとの相互運用

デモ

  • 音声コマンド認識
  • 時系列信号ラベリングアプリ
Takemoto

MathWorks Japan 竹本 佳充


A4 機械学習を用いた伝熱制御材料の設計と開発 (マテリアルズインフォマティクス実践)

16:30–17:10

マテリアルズインフォマティクス(MI)は、材料データとデータサイエンスを融合した新しい材料研究の手法であり、近年、新材料の特性予測や、材料設計、材料プロセス条件の最適化など、様々な材料研究で活用されている。断熱材料は、建築、電子機器、発電プラントや航空機など、日常生活から工業活動まで幅広く利用されており、省エネルギー社会を構築するための基盤材料である。本講演は、材料の実験データと機械学習の手法を用いて、極小熱伝導率を有する無機複合断熱材料の設計と開発に成功した一例を紹介し、MIの有効性と問題点について議論する。

Yibin Xu

国立研究開発法人物質・材料研究機構 統合型材料開発・情報基盤部門 情報統合型物質・材料研究拠点 データプラットフォーム長 徐 一斌

B1 ディープラーニングを活用した、化粧品開発における微生物試験の迅速化

13:30–14:00

安心・安全な化粧品を開発する上で、微生物による汚染リスクを評価し品質を確保することは、要の工程である。しかし、菌数カウントに人手を要することや試験期間の長さが製品開発の遅延につながるという課題がある。そこで、MATLAB®を活用し、試験の迅速化を試みた。具体的には、培地上で生育した菌の画像から菌種の同定および菌数カウントの自動化、化粧品の処方(配合する原料およびその比率)から予測モデルを構築し試験の省略可否を検討した。また、今後の展望として、肉眼では観察が困難な微小な菌の画像から培養後に生育してくる菌数を予測し、培養期間の短縮も試みた。

MathWorksからは、本内容に関連するMATLABの機能について紹介する。

Yoshida

資生堂グローバルイノベーションセンター 吉田 光輝

Akira Agata

MathWorks Japan 縣 亮


B2 強化学習:最適制御のためのディープラーニングの応用

14:30–15:00

強化学習はディープラーニングを応用し最適制御問題の解を探索することが近年において主流です。課題対象を適切に表現したモデルを使って、シミュレーションを繰り返し実行することによって学習します。その過程で生成されるデータは、ディープニューラルネットワークによって表現される方策を学習するために使用され、学習後のネットワークは従来のコントローラや意思決定システムに取って代わるものになります。当セッションでは、新製品であるReinforcement Learning Toolbox™ および他の MathWorks製品を使った環境モデルの設定、エージェントや学習に関するハイパーパラメーターの定義方法、さらには並列計算によるパフォーマンスの向上といった点についてご紹介いたします

Takashi Yoshida

MathWorks Japan 吉田 剛士


B3 車載制御ECUへのAI適用における実装開発プロセスの構築

15:30–16:10

従来の車載制御において、厳しい機能要求を満足するために複雑な定式化やパラメータの調整を実施してきた。弊社では、これらの制御にAIを適用することで開発効率化や性能向上を実現するための検討を進めている。しかし、GPUサーバ環境上で学習器の設計、評価を実施した後、作成した学習済モデルのECU実装が容易ではなく、なかなか製品化につながるような検討まで進められないことが課題となっていた。本発表では、Deep Learning Toolbox™を活用し、Simulink®、Simulink Coder™、Embedded Coder®を組み合わせることで、AI設計・学習から制御シミュレーション、ECU実装、実機評価まで一貫したプロセスを構築し、製品化実現への目途付けに成功した事例について紹介する。

Natsuki Yokoyama

株式会社デンソーテン AE技術本部 先行システム開発部 第二開発チーム 横山 夏軌


B4 ディープラーニングアプリケーションの組み込みGPU/CPU実装

16:30–17:00

MATLAB®やPython®環境で構築した学習済みディープニューラルネットワークに、前処理・後処理を加えた1つのアプリケーションとして、組み込みGPU/CPUへ実装するワークフローをデモと共にご紹介します。

多量のCUDA® やC/C++コードの記述で苦労する必要はありません。GPU Coder™とMATLAB Coder™の活用で、配布可能で最適化されたコードを自動で生成し、NVIDIA®Jetson、NVIDIA®DRIVEやARM®、Intel® ベースのプラットフォームに実装することができます。GPU/CPU実装にご興味のある方はぜひご参加ください。

Kazuya Machida

MathWorks Japan 町田 和也

C1 ドローンxディープラーニングによるインフラ損傷検出の自動化

13:30–14:00

近年、社会問題となっている老朽化したインフラの点検を持続可能とすべく、弊社はドローンとAIの活用を工夫し、護岸や橋脚など様々なインフラの点検効率化に取り組んでいる。その中から、従来、双眼鏡で目視スケッチしていたダムの損傷検出の作業負荷と精度不足の解消に向けた取り組みを中心に紹介する。1枚の画像に占める損傷の割合は、1%にすぎず目視で数の把握すら困難であった。屋外で撮影環境が変化する画像から、安定して損傷を検出するため、セマンティック・セグメンテーションを適用し、損傷領域の検出器を構築した。損傷のカウントと面積の大きさを近似計算することによって、補修対策の情報を自動抽出する取り組みをお話しする。

Yasuno

八千代エンジニヤリング株式会社 技術創発研究所 AI解析研究室 上席研究員 安野 貴人


C2 ディープラーニングを使った火力発電所ボイラ配管の画像による損傷評価の実現について

14:30–15:10

火力発電所ボイラ配管は高温高圧での使用に伴い損傷が進行することが知られている。特に高クロム鋼周溶接部のクリープ損傷では、未解明な部分が多く、精度のよい損傷評価が求められている。クリープ損傷は変形を伴うことから、変形挙動に着目した評価手法を検討した。配管溶接部を模擬した試験を実施し、溶接部の損傷比毎の微小領域ひずみ分布画像を取得した。得られた画像に対し、MATLAB® を用いて AlexNet とサポートベクターマシンを組み合わせた転移学習を実施することにより、クリープ損傷を評価する人工知能開発を試行した。その結果、損傷度の高低を分類する人工知能と、損傷率の値を評価する人工知能の2種類を開発した。

Kenichi kizu

関西電力株式会社 技術研究所 発電技術研究室 木津 健一


C3 故障予測xIoT ~ 予知保全システムの構築 ~

15:30–16:00

Predictive Maintenance Toolbox™ はデータに潜む故障の兆候を示す特徴量の抽出、可視化、そして特徴量の有用性評価までを半自動化するアプリも提供しており、故障予測のアルゴリズム開発期間短縮に役立ちます。

しかし、予知保全の仕組みを実現するには故障時期を予測する技術だけでなく、予測結果をどのように収益やコスト削減に繋げるかも合わせて議論する必要があります。

本セッションでは、故障予測アルゴリズム開発における実践的なテクニックと、そのシステム化手法及び運用方法について実用例と併せてご紹介します。

Xiaoxing Wang

MathWorks Japan 王 暁星


C4 モノづくりにおけるリアルタイムの意思決定にAIを展開

16:30–17:00

予知保全やモノづくりでの意思決定にAIを活用する取り組みが増えていますが、設備機械のモデル化や、予測モデルの学習、そしてAIをシステムへと展開する上で様々な課題があります。

本セッションでは、こうした課題を解決するためにMATLAB®/Simulink®を活用してプロトタイプ作成から、Apache™ Kafka®とクラウドサービスを用いてITシステムへの連携まで3週間で実現した事例をご紹介します。

Kojiro Saito

MathWorks Japan 齊藤 甲次朗

D1 ROSとMATLABを活用した産業ロボット用ピッキングシステムの導入検証

13:30–14:00

MATLAB®の製品ファミリの一つ、Robotics System Toolbox™ はロボット開発に必須となる種々のアルゴリズムが含まれている。特に、近年産学両領域において活躍の舞台を広げているRobot Operating System (ROS) との連携は極めて魅力的である。当Toolboxを利用することで、ROSではカバーできない高水準・高品質なMATLAB独自の先端技術を利用した多様な機能の組合せ評価やベンチマークの加速化等、ロボット開発における一層の効率化が期待できる。

そこで、ROS-IndustrialコンソーシアムがOSSとして提供する弊社のMotoMINIモデルと、MATLABが提供するディープラーニングによる画像認識、逆運動学、軌道計画、音声認識等の高度な機能を組合せ、ROSをベースとした産業ロボット用ピッキングシステムの導入検証を行った。

本講演ではその事例紹介とともに、当Toolboxの使用感や利便性等についてROS本著者の視点から得た知見や評価結果を発表する。

Masaru Morita

株式会社安川電機 環境・社会システム事業部 開発部 森田 賢 「実用ロボット開発のためのROSプログラミング」著者


D2 自律搬送ロボットのスピード開発

14:30–15:10

製造業の現場では人手不足が深刻化している。弊社内でも重量のある製品搬送は大きな負担となっており、移動式ロボットを用いて搬送作業を自動化したいと考えた。

「半年間で4輪独立駆動操舵方式の移動ロボットの試作」を実現するためにMATLAB®/Simulink®を用いたモデルベース開発(MBD)を選択した。

今回は、屋外利用も視野に入れ、開発難易度は高いが、高い運動性能を持つ4輪独立駆動操舵方式を採用した。また、自律的な搬送を実現するために、周辺地図の作成や自車位置推定についても検討を行った。

本講演では、MBDを進める中で苦労した経験をおりまぜ、移動式ロボットを開発した事例を紹介する。

Haruki Takemoto

武蔵精密工業株式会社 研究開発部 モータ/制御開発Gr. 竹本 春輝

Kenneth Renny

武蔵精密工業株式会社 研究開発部 モータ/制御開発Gr. Kenneth Renny Simba


D3 自動運転向けソフトウェア Autoware と MATLAB/Simulink の連携

15:30–16:10

本講演では、一般道自動運転向けオープンソースソフトウェアであるAutoware と MATLAB®/Simulink® の連携について紹介する。Autoware は、位置推定、物体認識、経路計画、軌道生成など自動運転システムで必要な機能を提供している。Autoware のそれぞれの機能は ROS (Robot Operating System) のノードとして実装されており、ROS ノードの MATLAB/Simulink のインタフェースを提供する Robotics System Toolbox™ を用いることで、MATLAB/Simulink で作成されたモデルが Autoware と接続可能になる。これまでに Autoware と接続可能な MATLAB/Simulink のアルゴリズムを作成したので、いくつかの事例について紹介する。

Takuya Azumi

埼玉大学 准教授 安積 卓也

Noriyuki Ota

株式会社ネクスティエレクトロニクス SW開発部 技術開発グループ シニアエンジニア 太田 徳幸


D4 ADAS・自動運転アルゴリズム検証のためのシナリオ生成とシミュレーション

16:30–17:00

ADAS・自動運転の安全性を担保するためのテスト・検証のコストは増加の一途を辿り、シミュレーションの重要性が一層高まりつつあります。

MATLAB®は専用GUIによる運転シナリオ作成機能を有し、シミュレーションベースで様々な検証が可能です。また、外部地図データや実測データからのシナリオ自動生成、各種パラメータ(車両速度や交通量等)を可変とした環境を構築することもできます。本セッションでは、以下の内容を中心に最新のR2019aによるデモを交えながらご紹介致します。

  • 実車から取得したデータ(画像、LiDAR、GPS等)からのシナリオ自動生成
  • シナリオ作成のためのセンサーデータ(LiDAR)の取り扱い
  • HD Map(高精度3D地図)を含む地図データへのアクセス
  • Unreal Engine連携
Kei Otsuka

MathWorks Japan 大塚 慶太郎

E1 安全性・快適性・航続距離を向上させるEV用インホイールモータ技術

13:30–14:10

電気自動車は、環境性能だけではなく、制御性能の高さにも魅力がある。その反面、充電1回辺りの航続距離が短いことが課題である。 本研究室では、 航続距離を伸ばすために、バッテリーの搭載量を必要最小限にして、 走行中に足りない分のエネルギーを道路に設けたコイルからワイヤレスで送って補う、インホイールモータの走行中給電の実車実験に世界で初めて成功した。

本講演では、自動運転時代を見据えて、本研究室で開発した電気自動車の安全性や航続距離を飛躍的に向上させる制御技術の説明と、ワイヤレス給電技術を使った最新のインホイールモータ技術の紹介を行う。このような複雑な制御システムの構想検討から実車実験までをスムーズに行うために、MATLAB®/Simulink® を活用した例を最後に簡単に紹介する。

Fujimoto

東京大学 大学院 新領域創成科学研究科 先端エネルギー工学専攻 准教授 藤本 博志


E2 分散型電源モデルを含めた電力系統用HILシミュレータとSimulink適用事例

14:30–15:10

近年、電力系統ではメガソーラーや風力発電プラントなどの分散型電源が大量に連系されてきており、出力が変動する分散電源が電力系統に与える影響を調査するために、系統現象の詳細な解析ニーズが高まりつつある。本解析ニーズに応えるために、より複雑化する系統現象を相似な「本物の電気現象」として再現、解析することが可能な電力系統用 HIL シミュレータを紹介する。発電機モデルの制御系は、ユーザーがグラフィカルな開発環境で制御ブロックを構築可能とするために Simulink® を適用したことで、様々な発電所の模擬が可能となり、将来の電力系統構成に向けた柔軟なシミュレータシステムとした。本技術をベースとした各種 EMS 用シミュレータとしての可能性についても検討する。

Ishigami Yuuta

富士電機株式会社 パワエレシステム事業本部 エネルギーマネジメント事業部 電力流通総合技術部 保護制御技術課 課長補佐 石上 雄太


E3 ACサーボを用いた放電加工機の高精度制御に関するMATLAB適用事例

15:30–16:00

超高分解能の角度検出器を内蔵するACサーボモータとこのモータに供給する電流を極めて繊細に制御するサーボアンプからなるACサーボシステムの普及が急速に進んでいる。本講演会ではこのACサーボシステム並びにそれを組み込んだ最終機械製品の性能を最大限に引き出す MATLAB® 適用事例について紹介する。ここで取り上げる放電加工機では、加工形状の高精度化と加工時間の短縮が製品性能を大きく左右する。このため加工機本体の力学特性を詳細にモデル化して制御システムに組み込むことが製品開発のキーポイントとなっており、そのモデリングと制御の手法について紹介する。

Akihiko Magi

三菱電機株式会社 先端技術総合研究所 メカトロニクス技術部門 技術顧問 今城 昭彦


E4 モデルベース開発を活用した水素蓄エネシステムの設計検証

16:30–17:10

モデルベース開発技術を活用し、太陽光のエネルギーを高効率に水素に変換するシステムを開発した。高効率な集光型の太陽光パネルや水を電気分解し水素に変換する水電解セルの特性を実測に基づいて等価回路としてモデル化し、日射量の変動に追従し太陽光パネルの発電電力を最大限に取り出す制御システムを開発した。設計した制御システムは自動コード生成技術を活用して制御ユニットに実装し、シミュレーションと等価な動作を実現して実証検証を行い、一日平均水素変換効率世界最高の19%を達成した。本シミュレーション環境は、再生可能エネルギーを活用した最適なエネルギーマネージメントシステムの設計、検証への流用ができる。

Yonezawa

株式会社富士通研究所 米澤 遊

Nakashima

株式会社富士通研究所 中島 善康

Nakashima

国立大学法人宮崎大学
西岡 賢祐

Nakashima

国立大学法人宮崎大学 太田 靖之

F1 日産エンジン制御開発におけるMBD適用事例と将来動向

13:30–14:10

エンジン制御用のソフトウェア開発行程における MBD 適用事例と、制御システムの要求検討から制御作りこみ、評価に至るプロセスまで拡張した MBSE の適用事例、AUTOSAR への取り組み等を紹介する。また MPC モデル予測制御の空燃比制御への適用を題材とした産学連携の事例も併せて紹介する。

Hiroshi Kato

日産自動車株式会社 パワートレイン・EV技術開発本部 パワートレイン・EV制御開発部 EMS制御開発グループ 主管 加藤 浩志


F2 Simulink Requirementsと新製品System Composerによるシステムズエンジニアリング

14:30–15:00

複数の専門分野にまたがるアプローチと手段を検討するシステムズエンジニアリングは、既に多くのお客様の設計開発部門において適用の検討が進んでいます。

システムズエンジニアリングでは、システムレベルの要求を元に、適切なコンポーネントへの分解と要求配分およびシステムアーキテクチャのトレードオフ検討や要求との検証が行われていきますが、これらの検討においてもMATLAB®/Simulink® プラットフォーム上で行えるようになりました。

本セッションでは、Simulink Requirements™ と新製品であるSystem Composer™ を核とした MATLAB/Simulink プラットフォームにより、様々な観点におけるシステムアーキテクチャモデルの評価方法や活用方法などについてご紹介をします。

Okoshi

MathWorks Japan 大越 亮二


F3 車両全体シミュレーションを活用しよう~電動パワートレインシステム開発を例題に

15:30–16:00

車両シミュレーションに特化した MathWorks のモデリングツールを使うことで、Simulink® 上で、単一のシミュレーション環境で車両全体モデルと、制御ロジックのシミュレーションモデルを構築することが可能です。また、列挙された電動パワートレインシステム候補のモデルを車両全体モデルに組み込むことにより、燃費や動力性能などを比較評価することも可能です。

本セッションでは、車両全体モデルを活用して電動パワートレインシステムを検討する例をご紹介します。

Hiroshi Miyagawa

MathWorks Japan 宮川 浩


F4 パワートレーン先行企画シミュレーション開発

16:30–17:00

パワートレーンシステムの多様化が進む昨今、開発の上流では最も優れたシステムを予測することの重要性が増している。しかしながら、多様なシステム間の優劣を手早くかつ精度良く予測することは困難である。

本研究ではロジック開発やパラメタ同定が必要となるような詳細な制御器を実装することなく、検討対象システムが持つポテンシャルを最大限引き出す制御入力の最適化手法をMATLAB®、Simulink®を用いて構築した。

さらにプラントモデルや最適化プログラムを高速化することで、従来手法によるシミュレーションと同等の精度を約半分以下の準備期間で達成できたので、ここに報告する。

MathWorks からは、期間短縮に繋がった、Simulink モデルの高速化について紹介する。

Yoshida-1

トヨタ自動車株式会社 パワートレーン先行統括室 先行MBD1Gr. 主幹 吉田 庄三 

Titoshi Takeshita

MathWorks Japan 竹下 仁士 

G1 プリンターにおけるトナー定着の熱制御設計へのMBD適用

13:30–14:00

電子写真方式を用いたプリンターは、用紙やトナーなどの外乱要素を多く含むシステムである。

そこで、フロントローディングを進めるにあたり、まず制御対象を”トナーに熱を供給する機能”としてモデリングを行った。モデルから最適制御系を設計し統合シミュレーションを行うことで、机上で機能と性能の確認ができた。更に、ばらつき・ノイズを組み込んでシミュレーションを行い、ロバスト性の検証を行った。これらの取り組みにより、開発の効率を改善することができた。

本講演では、本開発で行った機能のモデリング、制御設計、ばらつき解析等に関するシミュレーションと、Simulink®で作成した制御ロジックをリアルタイムHWに実装して実機検証した内容について紹介する。

Masato Mori

京セラドキュメントソリューションズ株式会社 技術本部 森 雅人


G2 HW/SWのパフォーマンス解析・最適化および協調設計

14:30–15:10

これまで C/HDL コード生成プロダクトは抽象レベルでのシミュレーション、そして CPU や FPGA への実装がサポートされていました。最新バージョンの R2019a からはさらにメモリ、バス、ペリフェラルを含めた HW と SW のパフォーマンス解析と実装がサポートされます。

本セッションでは SoC FPGA などのデバイスに実装する方向けに、各コンポーネントのテストや最適化から、パフォーマンス解析を行ったシステム全体のコード生成・実装までの概要をご紹介します。

以下の内容が含まれます。

  • 許容誤差ベースの演算精度の最適化
  • コンポーネントからの C/HDL コード生成とリファレンスデザイン設計
  • CPU タスク、ペリフェラル、バス、メモリを考慮したモデリング
Matsumoto

MathWorks Japan 松本 充史


G3 走行安全制御開発におけるモデルベース開発適用の取り組み

15:30–16:10

アイシン精機では、ソフトウェア開発の効率化と制御設計に重点を置いた開発への移行を考慮し、モデルベース開発の適用を推進している。制御ソフトウェア設計における V 字ワークフローの多くの領域で MathWorks 製品を活用し、自動化・省力化・高品質化を図っている。MILS から始まり、モデル検証、自動コード生成、生成コードの静的検証、PILS による検証まで行うことが可能なシームレスな開発環境を構築し、運用している。本講演では、走行安全制御に上記のモデルベース開発を適用した事例とその結果について講演する。

アイシン精機株式会社 走行安全商品本部 走行安全第一制御技術部 制御グループ グループマネージャー 荻野 淳人


G4 空調用電動コンプレッサのモータ制御システム開発におけるモデルベース開発事例

16:30–17:10

近年、環境問題や省エネ化の観点で電動化の需要が高まっており、空調用コンプレッサの動力源は内燃機関からモータへと置き換わっている。電動コンプレッサの次世代モデル開発にあたっては、高い品質と信頼性を保ちながら短期間で多数の自動車メーカーへ横展開できる事が喫緊の課題となっている。これらの課題を解決するため、開発工程にモデルベースデザインを適用し、開発の効率化を図った。

本講演では、MATLAB®/Simulink® による車両向け電動コンプレッサのモータ制御システム開発事例を紹介する。特に、制御ソフト技術者の観点で、電動コンプレッサのプラントモデルと既存 C コードを有効活用した制御モデルを構築し、様々な条件下におけるシミュレーションの実施から実機検証までを行った事例を紹介する。

Masayuki Kigure

サンデン・オートモーティブコンポーネント株式会社 開発本部 先行開発部 開発4グループ 木暮 雅之

え?そんなことに MATLAB® が使えるの?

12:00–12:50

そんなことに MATLAB® が使えるの?

今年もMATLAB をお使いの皆さんが気軽に楽しいネタを共有するMATLAB Lightning Talkのオープンステージを設けます。普段は業務や研究に使っている MATLAB の、思いがけない使い方をユーザの有志発表者よりご紹介いただきます。是非、面白いアイディアをシェアし、吸収していってください。

発表者は下記内容で募集しています。

  • 発表時間は一名あたり 5 分
    • MATLAB 製品で作成したプログラムの説明
    • プログラムの実演または録画の再生によるデモ
  • プロジェクターへご自身のノートPCを接続し発表
  • 配布資料は不要

※発表希望者は5/10 までにme-info@jevent.jp 宛てにご連絡ください

※聴講は事前登録不要です。


Woman in Tech Lunch(ウーマン・イン・テック・ランチ)

12:00–13:00

女性エンジニア、サイエンティスト、リサーチャーのネットワーキング プログラムとして、昨年大好評だった Women in Tech Lunch。女性の発言機会やカンファレンスへの参加をもっと増やしていくことが出来たらと願い、本年も開催をいたします。

全国の女性MATLAB®ユーザーと、利用方法やプログラミング、モデリングの悩みと解決策について、ランチをしながらカジュアルにお話ししませんか。同業他社、異業種の方々とネットワーキングする機会として是非ご活用ください。

TwitterやLinkedInでは世界で活躍する女性のみなさんを、#shelovesmatlabのハッシュタグでご紹介しています。ぜひご覧ください。

※女性限定の事前登録制です。ランチを提供いたします。